道路工事とは
道路工事とは、県や市町村などの道路管理者が発注者として行う工事です。
私たち建設業者は、県や市などの自治体から工事を受注し道路工事を行っています。道路は安定したライフラインを構築するうえで、欠かせないものです。道路を安全に使用するためには、道路工事がかかせません。私たちの生活に欠かせない道路工事には次のような種類があります。道路工事には大きく分けて、新設工事、修繕工事、道路改良工事の3種類あります。また、道路にたまった雨水などを排水するために、側溝(自由勾配側溝・U型側溝)を設置します。現場の状況により材料や手順も多少変わってきますが、ここでは標準的に行われている側溝布設設置の手順や道路工事の種類をご紹介します。
■側溝布設設置の手順 (自由勾配側溝の場合)
1. 丁張の設置
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- 施工箇所端部及び10m間隔で、木杭を打ち込みます。
- オートレベルを用いて、基準高さ(天端高)を木杭に印します。
- 横板を印に合わせ木杭に取り付けます。
- トランシットまたは光波にて法線を出します。
【注意事項】
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- 杭の打ち込み時には、手足を叩かないよう注意します。
- 使用する機器は、使用前に点検を行います。
- 基準高さの読み間違いに注意します。
2. 床掘
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- 丁張に従いバックホウにて掘削を行います。
- 埋設物等の確認も含め既設側溝の深さまで、掘削を行います。
- 床付け面を乱さないよう振動コンパクタ等にて転圧を行います。
【注意事項】
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- 埋設物マーキング付近は手掘りで確認しながら掘削します。
- 過掘りとならないよう注意します。
- 湧水や滞水が支障となる場合には、ポンプ排水または排水溝を設けます。
3. 基礎処理(基礎砕石)
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- 基礎材をバックホウにて投入します。
- 人力にて所定の厚さに敷均します。
- 振動コンパクタ等にて転圧します。
【注意事項】
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- 過転圧とならないよう注意します。
- 転圧機械との接触の無いよう周囲の確認を行います。
4. 基礎処理(コンクリート)
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- コンクリート型枠を組立て固定します。
- バックホウにホッパーをセットし、コンクリートを投入します。
- 人力にて所定の厚さになるように敷均し、バイブレータによる締固めを行います。
- 表面を木鏝で凹凸の無いよう均します。
【注意事項】
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- ホッパー吐き出し口から打設面まではなるべく近くにします。
- バックホウ作業半径内には立ち入りません。
5. 側溝布設
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- 基礎コンクリート部へモルタルを敷均します。
- バックホウ(クレーン仕様)にて布設する側溝を吊り、丁張に従い側溝を布設します。
- 丁張に合わせ据え付けを行います。
【注意事項】
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- 重機の運転,玉掛作業は有資格者が行います。
- 構造物の継目は段差の無いように布設します。
6. 調整コンクリート(自由勾配側溝の場合)
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- 設置した側溝内面に計画高に合わせ墨出しを行います。
- 人力にて打ち込みを行い、墨に合わせ木鏝で荒仕上を行います。
- 金鏝で平坦に仕上げを行います。
【注意事項】
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- 基準高さの読み間違いに注意します。
- 調整コンクリートの最小厚さは5㎝とします。
- 表面は凹凸のないよう仕上げます。
7. 埋戻
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- バックホウにて埋戻土を投入します。
- 路体では1層 30㎝以下 路床では1層 20㎝以下で側溝の左右交互に敷均し、転圧を行います。
【注意事項】
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- 作業前に雨水や雑物を除去します。
- 偏土圧による法線のずれが無いよう埋戻を行います。
■新設工事
新設工事とは新しい道路を築造する工事のことです。何もない状態から側溝などを整備をして、アスファルト混合物を使用して締め固めます。道路には国道、県道、市道があります。地域によっては道路が不足しているところもあるため、新設工事は欠かせません。
■修繕工事
修繕工事とは損傷した道路の舗装や側溝等を修復する工事のことです。道路は使用していると、次第に老朽化していきます。道路の損傷が著しくなると交通事故の発生が高まってしまうため、安全を守るために修繕工事が欠かせません。
道路の材料には、アスファルト、コンクリート、ブロックなどがあります。アスファルトを使用して施工するのが一般的です。 アスファルトはコンクリートやブロックよりもやわらかいので損傷しやすいという特徴がありますが、修繕がほかの材質よりも簡単というメリットがあります。修繕工事では道路の他に標識やガードレールの交換なども行います。
■改良工事
改良工事は、高齢者や障害を持った人たちが、安心して暮らせるようにするための生活空間の整備やバリヤフリー化をする工事や、狭くて車両や人が通りづらい道や歩道、見通しが悪い道などを改善する幅広工事などのことです。