河川工事とは
河川工事とは、豪雨や台風などの河川の氾濫による洪水を防ぐ工事です。
台風や大雨によって水害が発生することはよくあります。特に山間部や川が近くにある地域では危険性が高まり、災害防止策が取られます。令和元年に発生した東日本台風の際には、群馬県においても県内観測史上最大となる雨量を記録し、かけがえのない県民の命や財産が失われました。そのため、群馬県では、県民の命と暮らしを守ることが急務だと考え、県土整備プランが見直され2020年に「ぐんま・県土整備プラン2020」が策定されました。見直しのポイントは、気象災害の新たな脅威にしっかりと対応するため、ハード・ソフトが一体となった防災・減災対策を加速させること、となっています。この計画で、建設業に期待される役割は、市民の安全・安心を守るインフラ施設の建設・維持(強靭化)をすること、また果たすべく責務は、災害の未然防止や災害時の応急対策、復旧などに努め、市民の命と安全を守ることです。特に水害対策がこの計画の柱となっています。
河川工事の役割は、台風や大雨で河川が氾濫して災害が起きることを防ぐことです。
水害には地域性もあり、水害が頻発に起こる地域とそうでない地域があるため、データを蓄積して地域ごとに効率よく工事を行う必要があります。
河川が大きければ大きいほど被害も大きくなりやすいため、一級河川などの大きな河川では工事を定期的に行い、水害が起きないようにすることが大切です。
河川の等級
■一級河川
一級河川は国土の保安や経済的に最も重要とされている河川で、国土交通大臣が管理している河川です。
■二級河川
二級河川は一級河川以外で流域面積が比較的小さい河川の中で、都道府県知事が管理している河川です。
■準用河川
準用河川は一級と二級以外で市町村長が管理する河川で、二級河川と同等の河川法を準用します。
■普通河川
普通河川は、一級・二級・準用河川以外の河川で、市町村長が管理しています。
河川工事の種類
河川工事には特殊な工事でない限り、堤防を作るか水門を作るか川底を強化するかになります。その中での代表的な工事の種類について説明致します。
■護岸工事
河川の水流によって削られるのを防ぐために、コンクリートや鋼鉄で岸を補強する工事です。また、自然を維持するために植林なども行います。
■築堤工事
洪水や氾濫を起こさないために、河川水位が上がった際に外へ溢れ出ないよう盛土を行う工事です。周辺地盤が弱いことが多いため、地盤沈下対策のために堤防を大型化することもあります。
■樋門工事
河川の逆流を防ぐための水門施設をつくる工事を言います。
■河道掘削工事
河川の底に堆積した土砂を掘削し、根本から水位を下げる工事のことを言います。